背もたれ用布の選び方

手作りローチェアで最も悩むのが背もたれの作り込み。背もたれに適した布はどれか。また背もたれの固定方法はどうするか。

もっと良い布があるかもしれない。また固定方法も改善できるかもしれない。けれど経験上、現在のところのベストチョイスはコレなんです。

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背もたれ 布の選定

テント屋さんの布が一番よい

早速、結論を。

手作りローチェアの背もたれの布はテント屋さんが使っている布が一番よい。

ここで言う「テント屋さん」とは産業用、催事場用のテントを扱っているテント屋さんを指します。

例えば、みなさんがお住まいの地域、近所に右写真のような施設を扱うテント屋さんがあったら、一度問い合わせてみることをおすすめします。

右写真はちょっとメルヘンチックなテントだから「身近にはない」と思われるかもしれませんが、八百屋の軒先にある日よけ(サンシェードのほうが伝わるでしょうか?)なんかも実はテント屋さんが作ってる場合があるようですよ。

テント屋さんを見つける。そこには服飾用の布を扱うショップにはない超強力な布をゲットできるチャンスがあるかもしれませんよ。

テント屋さんの布が一番いいのはなぜ?

テント屋さんの布は厳しい屋外環境で使用されることを前提とした布です。このため、引っ張り力に十分な耐力がある。さらに紫外線(日光)による劣化が少ないこと等の特長があります。

これって、わたし達が求める理想の布ですよね。背もたれに使う布にピッタリですよね。

だから、テント屋さんの布を選ぶのが一番。アウトドアで使う手作りローチェアにはありがたいことばかりですよ。

ビリ家では近所(ともいえないけど)のテント屋さんを探し、お店に行って下の赤い布を譲っていただきました(もちろん有料でした)。カクカクシカジカと説明したところ、快く販売していただきました(珍しい客だなぁという視線をちょっとだけ感じました)。

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テント屋さんの布がゲットできない場合は

運良くテント屋さんの布がゲットできれば言うことありませんが、そう簡単ではありませんよね。その場合は「背もたれ用布 接写画像と評価」をご覧下さい。腰砕けな評価ですが、このへんの帆布を選べば失敗が少ないと思います。

テント屋さんの布がゲットできない場合どうするの?
背もたれ用布 接写画像と評価

布を打ち付ける前に覚えておきたいこと

この赤い布の質感を言葉にするとパキパキしてます。特別「厚い」という印象はないけど、強度は十分。

そう。薄くて強い。手作りローチェアの背もたれにはコレが重要なんです。

この布を張った状態は上の写真のとおり。安心して体をあずけられますよ。布の強さを実感する瞬間ですね。

背もたれ用の布に求められる条件は薄くて強いこと。その理由は何か。

布が厚いと打ち付けた釘や鋲が抜けるおそれが高まるんです。

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こんなふうにね(涙)。だから布は薄くて強いことが求められるんです。

背もたれ布には一定の強度が求められます。できれば、体重80kg程度の背もたれ荷重には耐えるようにしたいものです。このこのためには、厚い布を採用するのが一つの方法です。しかし厚さが増す程、打ち付けた釘もしくは鋲が抜けるおそれが高まります。

ワンバイ材を使ってローチェアを手作りする場合、厚さ19mmの材料に釘を打つことになりますから釘の長さはせいぜい10mm程度が無難なところだと思います。布を10mmの釘で打ち付けると仮定すると、布が1m、2mと厚くなるにつれ釘のささりは浅くなっていきます。これが釘や鋲が抜ける可能性が高まる原因です。

それでも、釘ならまだいいかもしれません。でも鋲は完全にアウトです。

テント屋さんから仕入れた赤い布は薄くて強い。薄いからこそこんな打ち付けが可能だと判断しています。

背もたれ 失敗の履歴

ローチェア手作り工程において背もたれは最大の難所。ビリ家では背もたれについて度重なる失敗を経験しました。それでもメゲずに改良を重ねて現在のカタチに落ち着いています。

ビリ家ではこれまで下写真の3種類の布を試しました。

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ローチェア1号機では写真左下の水色ナイロンオックスを。ローチェア2号機では写真左中段の濃紺8号帆布(綿)を。そして現在のベストチョイスであるテント屋さんで購入した布(赤色、詳細不明)。

過去記事に書いたようにナイロンオックスと8号帆布は、張った直後はいい塩梅だったんですよ。でも使うにつれて伸びてしまったんです。特にナイロンオックスはこんなにヨレヨレ(下写真)になってしまいました。ん~残念。

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ヨレヨレェエェ・・・

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このアングルから見ると一目瞭然です。パリッとした感じがないorz。こうなっちゃうと座った時に背中のクッションが効かないんですよね。

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帆布の選び方

帆布の厚さ

帆布の厚さは「○号」と示され、数字が小さい程厚くなります。

厚い帆布を選ぶことによって強度を上げることができるでしょう。反面、問題もでてきます。家庭用のミシンで縫製できるか否かです。また、上で書いたとおり厚くなればなる程、釘や鋲が抜けやすくなりますから背もたれの固定方法も考え直さなければならないでしょう。

帆布の色

お店にもよると思います。ビリが店頭で帆布を見た際には、11号から8号帆布までは色が豊富にありました。これより厚い6号、4号と見ていくと色は限られ「生成り」のみでした。

色は限られてしまいますが、店頭で確認したところ4号帆布なら相当頑丈だろうという感触を得ました。

その点、インターネットなら6号帆布でも豊富なカラーバリエーションから好みの色を選ぶことができますね。

帆布の材質

布を買ったテント屋さんのアドバイスですが「ナイロンは紫外線に弱い場合がある」んだとか。

となるとナイロンは避けて、キャンバス地を選びますよね。

やっぱり背もたれは手作りローチェア最大の難所です。それでも、何が何でもこの難所を乗り越えてローチェアを手作りしたい方のお役に足ればと思い、ありったけの知識を洗いざらい書きました。

また帆布はインターネットでも調べることができます。お好みの帆布があるといいですね。

ローチェア手作りマニュアル 目次